DRONE INDUSTRY NEWSDRONE INDUSTRY NEWS
KIZUNA MATRICE
INSPECTION SYSTEM
INSPECTION SYSTEM
ドローン業界ニュース
-
2020-11-30
遠隔診断、薬はドローンで 106人の島が未来の世界に
長崎県五島市三井楽町の離島、嵯峨島(さがのしま)で、インターネットやドローンを利用した遠隔医療の実証事業が進んでいる。市と長崎大、ANAホールディングス株式会社、NTTドコモ九州支社が協力して進めているプロジェクトだ。診療から薬の輸送までの一連の流れが報道機関に公開された。 国土交通省が進めるスマートアイランド推進実証調査業務の一環で、五島市(野口市太郎市長)を代表団体とする4者で構成する五島スマートアイランド実証推進調査協議会が、10月5日から来年2月12日までの予定で取り組んでいる。 嵯峨島は五島列島・福江島の西約5キロ、65世帯106人が暮らす2次離島だ。島の出張診療所には看護師1人が常駐し、医師は週1回、水曜午後に福江島の三井楽診療所から通っている。 実証事業のオンライン診療は月~金曜(医師がいる水曜午後を除く)の指定した時間帯に実施中だ。11月5日は、男性の住民が嵯峨島出張診療所で診療を体験。アバター(分身)ロボットのタブレット端末画面に、三井楽診療所にいる医師の顔が映し出され、男性は医師と実際に対面しているような様子でやりとりした。 診察後、男性は福江島にいる薬剤師からオンラインで服薬指導も受けた。処方した薬は嵯峨島から約5キロの貝津港でドローンに積み込まれ、10分ほどで島に到着。看護師が薬を受け取り、男性に手渡した。 厚生労働省の指針では、これまでオンライン診療は「初診は対面診療」が原則だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、特例で初診から受診が可能となった。実証事業は、遠隔医療モデルの効果を確かめ、コロナ収束後の恒久的な規制緩和の必要性を検証するのが狙いだ。 三井楽診療所の田中孝和医師は「表情がわかり症状も伝わりやすい。病人が船で渡り病院まで来るという負担も軽減される。音声が途切れたり、光の当たり方によって見えづらかったりする課題を検証し、役立つツールにする必要がある」と述べた。 診療を体験した男性は「いつも受診している医師の顔を見ながら話ができ、安心感がある。普段と変わらず違和感はなかった。薬をドローンで運ぶ様子は昔みていた未来の世界のようだった」と話していた。コメント昨今、離島や山間部など遠隔地でのオンライン診療、オンライン服薬指導、ドローンによる薬の配送の実証実験が行われています。 現在はまだ実験段階であり、法律や安全性、温度管理やコストなど様々な課題がありますが、実用化が進めば医師が少ない地域での医療の充実や、体が不自由で外出が難しい高齢者などにも医療を提供できるようになります。一日も早いサービスの実現が期待されます。 -
2020-10-31
政府機関、中国製ドローン新規購入を排除 情報漏えい・乗っ取り防止を義務化
政府は、ドローン(無人機)が集めたデータなどが盗み取られるのを防ぐため、2021年度から政府が購入するドローンのセキュリティー強化策を決めた。運航記録や撮影した写真の外部漏えい、サイバー攻撃による乗っ取りを防ぐ機能を備えた機体の購入を義務付ける。全省庁、すべての独立行政法人が対象となる。これにより、中国製ドローンの新規購入が事実上、排除されることになる。政府機関などはドローンを購入する際、内閣官房に計画書を提出し審査を受けることが義務付けられる。対象となるのは、公共の安全と秩序維持に関する業務に支障が生じる恐れがある場合などとし、具体的には①安全保障に関わるもの②犯罪捜査③発電所や鉄道などの重要インフラの点検④人命救助――などを想定する。外部に業務委託した場合も対象になる。すでに保有済みの機体も1~2年内に置き換えるよう求めた。ただ、飛行訓練などセキュリティーが高くない業務に使用するものは対象にならないと見られる。ドローンは、スマートフォンと同じように通信機器やカメラ、全地球測位システム(GPS)を搭載しているため「空飛ぶスマホ」と呼ばれる。外部のネットワークに接続しながら飛行するため、セキュリティー対策が弱いドローンの場合、データを抜き取られ悪用される危険が伴う。重要施設の点検内容などが外部に漏れれば、テロリストや犯罪集団に狙われる恐れがある。政府は18年に中央省庁などが購入する製品・サービスから、中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品を事実上排除する仕組みを整備した。その時も2社を名指しせずに、安全保障上の脅威などがある場合は制限できるという制度とした。外交問題に発展することを避けるためで、今回も特定の国やメーカー名を示さない形を踏襲した。中国製のドローンは、個人が使うホビー用を含め全世界で8割近いシェアがある。ただ、セキュリティー上の懸念があるとして米陸軍が17年8月に中国製ドローンの運用を停止。米政府は19年に中国製ドローンの使用禁止を政府機関に義務付ける新たな規制を制定した。国防総省は今年8月、中国メーカーに代わる5社の米企業を選定するなど「脱中国」を図っている。コメント今月の記事は、最近何かと噂をされている、国内での中国製ドローン禁止についてです。現段階では「政府機関などがドローンを購入する際に内閣官房に計画書を提出し審査を受けることが義務付けられる」だけであって、一般企業が購入を禁止されるわけではありません。しかし、一般企業にもいつ審査の義務付けがされるのか分からないので、予断は許せない状況です。現在、世界では中国製ドローンが約70%を占めていると言われており、もし中国製ドローンが国内禁止になれば日本のドローン業界にも、大きな影響を与えるのは間違いありません。今後もこの話題には注視していくと共に、日本のドローン製品の発展を切に願っております。 -
2020-09-30
「バスに乗って拡大する宅配ドローンシステム」が開発中
近年では従来のシステムに代わる宅配方法としてドローンの利用が模索されており、オーストラリアでは「Wing」というドローン配達サービスが開始されたほか、Amazonもドローンを用いた配達サービス「Prime Air」の実現に向けて前進しています。そんな中、スタンフォード大学の研究チームが「バスに乗って移動することで節電し、配達できる範囲も拡大するシステム」の実現を目指しています。これまでにも宅配ドローンはいくつか導入されているものの、ほとんどは宅配可能な地域が郊外のみに設定されています。これは、都市部の環境が動的であり、予期しない障害物が多く存在しているといった理由から、商用ドローンが都市部を飛行することが許可されていないことが理由です。ところが、スタンフォード大学のStanford Intelligent Systems Laboratory(SISL)およびAutonomous Systems Labの研究チームは、都市部を走行するバスを利用することで、宅配ドローンの可能性を広げるアルゴリズムを開発したとのこと。「私たちのアプローチは、あらゆる宅配を完了する時間を最小限に抑えようとしています」「公共交通機関とドローンの長所を組み合わせることで、大きな商業的利益を上げるだけでなく、社会的な影響を与えることができます」と、研究チームは述べています。研究チームが採用したアプローチは、荷物を積載したドローンが配送センターから飛び立ち、配送センターから近くを走行するバスまで飛行して「乗車」し、配達先の付近に近づいたらバスから再び飛び立って配達を行うというもの。また、ドローンは1台のバスにしか乗らないわけではなく、別のバスへ「乗り換え」を行うケースもあるとのこと。この公共交通機関と無人ドローンを組み合わせたアプローチを円滑に運行するには、利用可能なドローンと個々の荷物の配達先、バスの運行スケジュールなどを総合して適切なスケジュールを組む必要があります。そこで研究チームは、「ドローン」「荷物の配達先」「ドローンが待機・帰還する配送センター」「決まったルートを走行するバス」の情報を組み合わせ、最適な乗車・配達スケジュールを構築するAIアルゴリズムを開発しました。研究チームが開発したアルゴリズムは、最大で200機のドローンが5000個の荷物を配達するケースに対応可能だそうです。実際にサンフランシスコ交通局およびワシントン首都圏交通局の交通システムをモデルにしたシミュレーションを実施したところ、宅配ドローンが公共交通機関を利用することで、従来より360%も配達可能な範囲を広げられることがわかったと研究チームは述べています。また、ドローンがバスを利用することで配達車による道路の混雑が減少し、エネルギー使用量を減らすことも可能です。今回の研究では、実際に都市部での実験が行われたわけではなく、交通状況による遅延や障害物などの問題については十分に考慮されていないとのこと。研究チームは「将来の主要な方向性は、私たちのフレームワークを運用した際のコストや道路の混雑への影響を推定し、騒音公害や都市コミュニティへの影響といった潜在的な外部への影響について考慮するケーススタディを行うことです」と述べました。コメント限定的ではありますが、日本でも実用化が始まっているドローン配達。諸問題が解決して「バスを使ってのドローン配達」が全面的な実用化が進めば、世界の物流業界に革命が起こると見て間違いありません。日本においては、過疎地域に暮らし積載率の低い非効率な輸配送や、食料品などの日常の買い物が困難な状況に置かれている”買い物弱者”の問題が解決されることに期待が持てます。また、日本は地震や台風などの自然災害が多い国ですがドローン配達が使われるようになれば、被災地への緊急物資や薬品などの配達が今よりはるかにスムーズになるでしょう。ドローン配達により、もたらされる未来は非常に明るいものです。だからこそ1日でも早くドローン配達が実現することを願うばかりです。 -
2020-08-31
自然災害調査士に関するお知らせ
この度、弊社では社員に自然災害調査士の資格を所得させました。自然災害調査士とは、近年猛威を振るう自然災害による被害の建物調査や専門知識を学び、職業として正しい助言を行う、災害・復興アドバイザーです。また家屋など建物の受けた自然災害による被害を、正しく鑑定するのが業務です。以前より自然災害被害の判断は難しく、まだ専門家もいなかった為、大規模災害による被害の判断や、日常で受ける自然災害の被害の基準も曖昧でした。この事により顧客とのトラブルになる場合が多く、現場で働く人間にとって問題視されていました。このように頻繁に起こる自然災害にまつわる問題を、「専門的知識を持って適切な調査をする者」としての位置づけを目的としております。この資格に加え、産業用ドローン「MATRICE]に赤外線カメラを搭載する事により、細かな調査が可能ですのでご安心してお任せ下さい。調査のご依頼、ご相談心よりお待ちしております。自然災害調査士について、もっと詳しく知りたい方は下記URLより全国自然災害家屋調査協会のHPをご覧ください。https://shizensaigaichosashi.jp/ -
2020-07-30
激安ドローン、実は危険?!知らずに買うと損するドローン価格の裏側
わずか数千円で買えるトイドローンから40万円オーバーの高級機まで、ドローンには様々な価格の製品が存在します。安過ぎる製品に危険はないのでしょうか? なぜ、ドローンの価格にはこれほどまでに大きな差があるのでしょうか?この記事では、そのようなドローンの価格や値段の差から生まれる安全性や性能の違いなどについてのギモンにお答えしつつ、ドローンを買う前に知っておくべきことや知らないと損をする情報をまとめました。ぜひ、最後までじっくりとチェックしてみてください!【激安ドローンに潜む3つの危険性】激安ドローンの危険性その1 電波法違反で即アウト!?空飛ぶドローンを地上から操作するためには、通常は電波を使用します。そして、この電波は限られた周波数帯を使用するものであるため、不正な機器を使用すると混線の原因となる可能性があります。そのため、日本で使用される電波を発する機器は「特定無線設備の技術基準適合証明(通称:技適)」を取得することが法律により義務付けられています。DJIなどの主要メーカーが販売するドローンは技適を通過しているため、何ら問題ありませんが「ネット上で売られている激安製品」や「怪しげな海外並行輸入品」などの一部製品には技適認証を取得していない機体も存在しているようです。このような技適認証を通過していない機体は電源をオンにしただけでも、厳密に言えば、電波法違反になりかねません。「電波法違反のドローンを飛ばして逮捕された」という話は聞いたことはありませんが、うっかり値段につられて違法な製品を購入してしまわないように注意したいものです。激安ドローンの危険性その2 接続不良でコントロール不能になる?ドローンとコントローラー(プロポ)の接続が途切れてしまうと、当然のことながら機体の操作ができなくなります。このような状況になると、最悪の場合はドローンが際限なく上昇を続け宙(そら)に吸い込まれていったり、あさっての方向に飛んでいってしまったりという事態が発生します。接続不良やコントロール不能に陥るリスクは必ずしも価格だけで判断がつくものではありませんが、一例として、DJIの製品であれば「リターン・トゥ・ホーム」機能が搭載されており、コントローラーとの接続が途絶えたらドローンが自動で帰還することが可能です。激安ドローンの危険性その3 粗悪なバッテリーが火災リスクを高める?!ドローンが飛行するためにモーターをまわす電源には「リポ(LiPo)」と呼ばれるリチウムイオンポリマー二次電池が使用されています。このような種類の電池には充放電制御回路や短絡(ショート)、過熱などから電池を保護回路が積まれていますが、粗悪品の場合はこの回路性能が不十分なため、バッテリーが膨張、発熱、発火などのトラブルに見舞われる可能性があります。また、電池そのもの強度が低い場合や適切に設計されていない場合は墜落の際の衝撃などで急激に反応が進み爆発が起こることもあります。回路の性能や強度については、必ずしも値段が品質に直結するわけではないかもしれませんが、極端に安い製品については十分に注意することが必要です。また、購入に際しては、メーカーの説明や通販サイトのレビューコメント欄だけを鵜呑みにするのではなく、販売店に評判を聞いたり、BlogやSNSで生の声を拾ったりするなどして、バッテリーに異常が発生したという報告がないか調べるなどといった慎重さが必要です。コメント値段が安いドローンなら簡単に購入してしまいがちですが、トイドローンなどを購入するのであれば電波法があることを忘れてはいけません。商品として売られているからと言って電波法に反していないという訳ではありません。技適(技術基準適合証明)を所得していないドローンを無資格で操縦していると電波法違反になっていまします。お子様のプレゼントに…。空からおしゃれな動画を撮りたいから…。とネットで購入したドローンが実は法律的には飛ばせない!なんて事が起きるかもしれません。海外で流通しているドローンの多くは「5.8Ghz帯」を利用しているものが多く、日本国内で使用する場合は、いずれも、無線局開発の免許が必要になる為、ご購入の際は十分に気をつけましょう。この記事にある情報が「安くてもちゃんと作られているドローン」か「高くても価値があるドローン」を購入するための一助となれば幸いです。 -
2020-06-30
ドローン飛行許可が必要な13例&航空法規制
空撮や点検、測量にレースまで、さまざまな分野で活用が進むドローンは、関連市場の規模が2022年までに2100億円超に成長すると予測されるなど、新たな産業や雇用を創造する推進力として期待されています。しかし、このような期待と同時に「ドローンを飛ばす時に必要な許可が何かわからない」という疑問や「うっかり法律に違反するのがこわい」という不安を感じることも多いのではないでしょうか。米軍基地上空のドローン飛行は避けよう防衛省、警察庁、国土交通省、外務省が連名で、米軍施設の上空でドローンなどを飛行させる行為をやめるよう「お知らせとお願い」をするポスターを2018年2月20日に公開しています。みだりに米軍施設上空でドローンを飛行させることは大きなトラブルや事故の原因になる可能性があるため、飛行予定周辺に基地等が無いか確認をするようにしましょう。ドローン飛行許可・承認は 飛ばす場所と方法で必要な手続きが決まるドローンを飛ばす際に必要な手続きは、大きく2つ分けて「場所によって必要な許可」と「方法によって必要な承認」の2つに整理できます。航空法(改正航空法)などにより「この場所を飛ばす場合は許可を得てください」「特殊な方法で飛ばす場合は承認を得てください」といったルールが定められているので、以下の本文でその詳細を確認していきましょう。ドローンの飛行に許可が必要な場所まずは、ドローンの飛行場所に関連して確認をしなければいけないルールをチェック! ここでは航空法や小型無人機等飛行禁止法、道路交通法や都道府県などの条例によりドローンの飛行が規制されている空域を順番に確認していきましょう。ドローン飛行許可が必要な例 【1】空港周辺・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条) ・許可の申請先:管轄の空港事務所飛行機などとの衝突を避けるため空港施設の周辺や飛行機が滑走路に離着陸をする際に通る空域も飛行が制限されています。全ての空港から6km以内エリアがこの規制範囲に該当するためドローンの飛行は空港事務所に連絡をして許可を得る必要があります。また、羽田や成田、中部、関西、釧路、函館、仙台、大阪国際、松山、福岡、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、那覇の空港周辺では、24kmの範囲でドローンの飛行が禁止されているので気をつけましょう。ドローン飛行許可が必要な例 【2】150m以上の上空・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条) ・許可の申請先:管轄の空港事務所地上や水面から150m以上の高度でドローンを飛ばす場合も飛行機やヘリコプターなどとの接触のリスクが高まることや墜落の際の衝撃が強くなることから規制の対象となっています。また、「地上から150m以上」と定められている点に注意が必要で、例えば「山の上からドローン飛ばして、谷の上を通過する」という場合に、ドローンが何の上を通過する際の規制高度が「山の上から150m以上」ではなく、「谷底から150m以上」の高さになる点は要注意。操縦者が居る場所からの高度ではなく、ドローン直下の地面までの距離が150m未満でなければ規制の対象になるので気をつけましょう。ドローン飛行許可が必要な例 【3】人家の密集地域・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条) ・許可の申請先:国土交通省人口集中地区(DID)と呼ばれるエリアはドローンが墜落した際に人家を巻き込んだ事故になる可能性が高いため、飛行が制限されています。ドローン飛行許可が必要な例 【4】国の重要な施設、外国公館、原子力事業所等の周辺・関連する法律:小型無人機等飛行禁止法 ・許可の申請先:土地の所有者、皇宮警察本部長、公安委員会など(場所により異なる)国会議事堂や内閣総理大臣官邸、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域も飛行禁止空域に定められています。なお、この空域でドローンを飛行する許可を得ることは可能ですが、他の規制地域における申請手続と比較すると、より複雑かつ難易度が高い内容となっており、事故の際の影響も計り知れないため特段の事情がない限りはドローンを飛行を行なわないほうが賢明と言えるでしょう。ドローン飛行許可が必要な例 【5】道路の上空・関連する法律:道路交通法(第七十七条) ・許可の申請先:管轄する警察署長(管轄の警察署)道路上や路肩などでドローンの離着陸を行う場合は道路交通法における「道路において工事若しくは作業をしようとする者」に該当するため「道路使用許可申請書」を提出する必要があります。また、車両の通行に影響を及ぼすような低空を飛行する場合も同様の許可が必要です。なお、法律に明記されているわけではありませんが、ドローンが道路上空を飛行する場合は、管轄の警察署に事前に連絡をするべきです。これは、安全確保のためのアドバイスを得るからだけでなく、万が一現地で作業をしている際に第三者から通報されてしまった場合などに、トラブルが深刻化するのを避けることにもつながるからです。このような理由から、道路上空をドローンを飛行させる場合は事前に管轄の警察署に連絡と確認を行なうことを強くおすすめします。加えて、飛行時には交通量が多い道路の上空を飛行は避ける、第三者の車を無断で追尾して撮影しないなど、安全性やプライバシーへの配慮も怠らないようにしましょう。ドローン飛行許可が必要な例 【6】私有地の上空・関連する法律:民法(第二百七条) ・許可の申請先:土地の所有者や管理者私有地全般民法は「土地所有権の範囲」として、土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ、と定めています。そのため、この空域でドローンを飛ばす場合には、土地の所有者や管理者の許諾を得るようにしましょう。なお、操縦者が私有地に立ち入ってドローンを離発着場合させる場合にも許諾が必要になります。鉄道・線路鉄道の線路上空も、この私有地上空に含まれるため、飛行に際しては事前に許諾を得る必要があります。なお、ドローンの事故が原因で列車の運行に支障をきたした場合は多額の賠償金を請求される可能性がありますので、原則として線路などの鉄道施設の上空を避け、十分に距離をとってドローンを飛ばすようにしましょう。神社仏閣、観光地神社仏閣や観光地なども私有地であり、公式のウェブサイトなどで飛行を明示的に許可している場合以外は、事前に連絡をして飛行の許諾を得るようにしましょう。また、第三者によるウェブサイトやSNSへの書き込みは、情報が不正確であったり古いかったりする可能性もあるため鵜呑みせず、所有者や管理者に直接問い合わせをすることをおすすめします。ドローン飛行許可が必要な例 【7】条例による飛行禁止空域・関連する条例:各都道府県、市町村の条例 ・許可の申請先:各地方自治体日本全国に適用される航空法以外にも、都道府県や市町村が独自の条例により飛行を全面禁止にしていたり、許可制にしているエリアが存在しています。地域によってそれぞれ異なるルールが存在するので、飛行場所の条例については個別に地方自治体の窓口に確認しましょう。ドローン飛行に承認が必要なパターンドローンを飛ばす際には、飛行場所以外にも、飛行方法によっては国土交通大臣から事前に承認を受ける必要があります。以下の飛ばし方(使い方)に該当する場合は必ず事前に手続きをして承認を得るようにしましょう。なお、災害や事故の際に捜索、救助等を行う場合は特例として承認を得ずに特殊な飛行を行うことが可能になる場合があります。ドローン飛行許可が必要な例 【8】夜間飛行・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条の二) ・許可の申請先:国土交通省日没や日の出前などの夜間にドローンを飛行する際は事前に承認を得る必要があります。風景を撮影する時は、日の出日の入りがシャッターチャンスになりますが、うっかり暗くなった状態でドローンを飛ばし続けてしまうと、法律違反になりますので注意しましょう。ドローン飛行許可が必要な例 【9】目視外飛行・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条の二) ・許可の申請先:国土交通省ドローンが木やビルの後ろを飛び、操縦者から機体の位置や状況を目視できない状態が発生する場合は事前に承認を得る必要があります。なお、ドローンレースなどで使用されるFPV(一人称視点ゴーグルを装着して操縦する場合もこの「目視外飛行」に該当します。ドローン飛行許可が必要な例 【10】人や建物と30m未満の距離での飛行・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条の二) ・許可の申請先:国土交通省ドローンを第3者や第3者の建物の30m未満に近づける場合は衝突のリスクが高まるため承認得る必要があります。なお、あくまでも「第3者」との距離に関しての規制なので、ドローンを操縦している本人や補助者、協力者たちや、これらの人物が所有する車や建物は対象外となります。ドローン飛行許可が必要な例 【11】催し場所での飛行・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条の二) ・許可の申請先:国土交通省お祭りや野外フェスティバルなど、大人数が集まるイベントの上空はドローンが墜落した際に人を巻き込むリスクが高いため原則飛行が禁止されており、ドローンを飛ばす際には事前に承認を得る必要があります。なお、2017年の11月4日に岐阜県で発生したイベントでのドローン墜落事故を受けて、承認手続きの厳格化などが進む可能性もあります。ドローン飛行許可が必要な例 【12】危険物輸送・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条の二) ・許可の申請先:国土交通省ガソリンや火薬などの危険物をドローンに搭載して飛行させることは原則禁止されています。また、花火をドローンに大量に取り付けて飛行するといった場合も「危険物の輸送」に該当しますので、このような状態でドローンを飛ばす場合には承認を得る必要があります。ドローン飛行許可が必要な例 【13】物件投下の禁止・関連する法律:航空法(第九章 第百三十二条の二) ・許可の申請先:国土交通省ボールや箱などの物体をドローンから落とす場合には、事前に承認を得る必要があります。 また、固形物のみでなく農薬などの液体を噴霧する場合も「物体の投下」にあたるので、事前に承認が必須です。なお、農薬の散布にドローンを利用する場合は、上記の国土交通省への申請の他に農林水産省が「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」で定めるルールを守る必要もあります。コメント今となっては子供から大人まで、手に入れる事が容易になってきているドローンですが、法律の事や安全を配慮せずに飛ばしている方が多いのではないでしょうか。実際に2017年11月には、イベント会場で「お菓子まき」をしていたドローンが墜落し、けが人を出した事故なども起こっています。この事故を受けて、「飛行中のドローンの下には立ち入り禁止エリアを設ける」や「プロペラガードを装着する」など、ドローンの規制は年々強化されています。パイロットである私自身も、法律に頼るだけでなく如何に墜落事故・人身事故を減らせるか、、、。日々思索し成長していかなくてはなりません。