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ドローン業界ニュース
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2021-02-28
楽天、自動飛行ドローンによる配送サービスを離島で提供
楽天株式会社は、三重県志摩市の離島、間崎島において、自動飛行ドローンによる配送サービスを2021年1月6日~1月22日までの期間限定で提供した。 同サービスでは、同市内のスーパーマーケット「マックスバリュ鵜方店」から、本土より約4km離れた広さ0.36km2の間崎島にある「間崎島開発総合センター」まで、往復約11km間を自動制御により目視外飛行(レベル3飛行)し、商品を配送する。新型コロナウイルス感染症対策として、できる限り人を介さないサービスだという。 具体的には、注文手段として、自身でダウンロードする専用スマートフォンアプリもしくは同センターに設置するタブレットでの注文に加え、カタログを見て注文用紙を同センターにて自身で専用スキャナにより読み取り店舗に送信する方式、注文用紙を同センター閉館時にはポスト投函する方式を用意した。 受け取り時には、同センターに到着した自動飛行ドローンが自動で荷物を切り離し、注文者が人を介さずに商品を受け取れるようにしている。決済手段としては、現金のほか、同センターに楽天グループの実店舗向けキャッシュレス決済サービス「楽天ペイ(実店舗決済)」を導入し、主要なクレジットカードおよび電子マネーによるキャッシュレス決済を利用できるようにしている。 また、専用スマートフォンアプリから注文した場合は、同アプリ上で「楽天ペイ(オンライン決済)」による決済が可能。なお、同サービスは、対象となる間崎島の住民が、配送手数料500円(税込)で利用できる。 同サービス提供は、三重県が誰もが住みたい場所に住み続けられる地方都市を目指し、国内外の企業からアイデアを募集して開発のサポートや実証・社会実装の支援などを行う「クリ"ミエ"イティブ実証サポート事業」の認定を受け、三重県の支援のもと実施している。2020年1月には、自動飛行ドローンによる間崎島への無人配送サービスの実証実験を行い、住民のニーズの調査や生活に合ったサービスモデルの構築、長距離配送を行う中での課題を検証した。その結果を踏まえ、期間限定によるサービス提供を実現することができたという。今後は、自動飛行ドローンを活用した恒常的な配送サービス提供の実用化を目指していくとしている。
楽天は今後も、三重県と協力し、政府の掲げる「空の移動革命」の実現に向け、自動飛行ドローンを活用した地域課題の解決に取り組んでいくという。コメントドローン配送サービスといえばこれまで、主に山間部や離島など、通常の方法では時間がかかる場所へ商品を短時間で運ぶことを目的に、サービスの開発が進められてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大によって、物流の面でも非接触で荷物を運ぶ対策が期待されており、生活物資等の非接触型物流を実現する目的にも開発は進められています。そして今回は、日本初となる離島住民への有料ドローン配送サービスの実施となり「空の移動革命」においても、着々と実用化は進んでいると感じました。国土交通省でも現在、「有人地帯における補助者なし目視外飛行」(レベル4※)を実現すべく、段階的に環境整備を進めており、今後レベル4での飛行が可能になれば、「空の移動革命」も、より現実的なものになるのではないでしょうか。街中でトラックの代わりにドローンが飛び交う日も、そう遠くはないかもしれません。※ドローンの飛行形態(レベル)について▷国土交通省資料「無人航空機レベル4の実現のため新たな制度の方向性」 -
2021-01-31
関東地方整備局 荒川下流河川事務所、荒川UAVチーム「Kingfisher」結成
2021年1月20日、国土交通省 関東地方整備局 荒川下流河川事務所は、河川維持管理、災害時等における状況把握等の効率化・高度化を推進するため、荒川UAVチーム「Kingfisher」を2021年1月7日に結成したことを発表した。高度な専門知識や技能を有する総勢37名の専門チームが、河川や施設の状況監視、映像撮影などを行う。 荒川下流河川事務所ではDXに関する取り組みとして、三次元データによる河川管理等を本格的に導入するための取り組みを進めている。河川管理や災害時等における状況把握の効率化、上空からのレーザー計測等を行うため、今回、専門のチームである荒川UAVチーム「Kingfisher」を創設した。昨年9月から、航空法で規定されている法令、知識の学習と10時間以上のGPSを用いないATTI操縦訓練に各職員が保有する機体で取り組み、航空局承認・許可を取得したという。 ドローンにより日常の河川巡視の効率化を図るとともに、不可視である箇所や災害時の危険箇所を安全に監視を行う。また、ドローンと災害対策支援船「あらかわ号」を連携することで、陸上での移動が困難な箇所の点検も可能である。船上からの離発着は河川事務所では唯一の取り組みだという。 荒川下流河川事務所は「Kingfisher」の創設により、今後の河川管理の効率化・高度化を目指す。また、日常の河川管理だけでなく広報ツールとしてもドローンを活用していく、としている。コメントあらゆる分野で活躍しているドローンですが、今回の記事のように河川の管理にも用いられています。人が行っている点検をドローンで実施することにより職員、技術者の人員不足を補い、点検時間の短縮による効率化を図ることができます。また、巡視においては効率化だけではなく、より広い範囲の監視が可能になり地域の安全性も向上するのではないでしょうか。チーム名の「Kingfisher」は、荒川にも生息しているカワセミを表す言葉で、カワセミは餌を採る際や巣に戻る際、ホバリングを行いその姿をドローンの飛行する姿に重ね、チームのキャラクターにしたとのことです。カワセミと同じく、河川を飛行するドローンを見かける日も近いのではないのでしょうか。 -
2020-12-26
ドローン規制強化、100グラム以上に危険性指摘受け
普及が進む小型無人機(ドローン)について、政府は、これまで200グラム以上としていた航空法の規制対象を拡大し、100グラム以上にする方針を固めた。小型でも飛行速度が速いドローンが手軽に入手できるようになり、危険性が増していることを踏まえた。今後、省令を改める。 日本では、2015年に初めてドローンに対する規制が導入された。航空法で、イベント会場、人口密集地の上空、夜間や操縦者から見えない場所で飛ばす場合などに国の許可が必要とされている。 ただし、「トイドローン」と呼ばれる200グラム未満の機体については、上空150メートル以上や空港周辺を飛ぶ場合を除き、規制の対象外だった。機能や性能が限定されている△おもに屋内での狭い範囲での飛行が想定されている△仮に墜落して人やものにぶつかっても被害が限定的であると考えられてきた――ことなどが理由だ。 ただ、規制開始から5年がたち、ドローンの性能は大きく上がった。200グラム未満でもプロペラの回転や飛行速度が速く、屋外で安定して飛べるような高性能なタイプが家電量販店などでも手に入る。衝突すれば人にけがをさせたり、ものを壊したりする可能性が指摘されていた。 これを受けて政府は、200グラム以上としていた規制範囲を広げることを検討。風などのある屋外でも安定して飛べるような機体を規制することを念頭に、対象を100グラム以上に引き下げることにした。コメント政府は安全の為、規制対象を200グラム以上から100グラム以上にする方針を固めましたね。 現在では、200グラム未満の高性能ドローンが普及しており、200グラム未満のドローンのプロペラが1歳6か月の幼児の目に当たり失明した事故まであります。今回の法律が改正されれば増加傾向にあった事故件数を減少させるのにとても良い改正だと思いました。規制対象の範囲拡大の他にも、機体認証制度や操縦ライセンスの所得など、新しい制度の改正が進められており、ドローンでの事故件数が1件でも少なくなるのを願っております。
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2020-11-30
遠隔診断、薬はドローンで 106人の島が未来の世界に
長崎県五島市三井楽町の離島、嵯峨島(さがのしま)で、インターネットやドローンを利用した遠隔医療の実証事業が進んでいる。市と長崎大、ANAホールディングス株式会社、NTTドコモ九州支社が協力して進めているプロジェクトだ。診療から薬の輸送までの一連の流れが報道機関に公開された。 国土交通省が進めるスマートアイランド推進実証調査業務の一環で、五島市(野口市太郎市長)を代表団体とする4者で構成する五島スマートアイランド実証推進調査協議会が、10月5日から来年2月12日までの予定で取り組んでいる。 嵯峨島は五島列島・福江島の西約5キロ、65世帯106人が暮らす2次離島だ。島の出張診療所には看護師1人が常駐し、医師は週1回、水曜午後に福江島の三井楽診療所から通っている。 実証事業のオンライン診療は月~金曜(医師がいる水曜午後を除く)の指定した時間帯に実施中だ。11月5日は、男性の住民が嵯峨島出張診療所で診療を体験。アバター(分身)ロボットのタブレット端末画面に、三井楽診療所にいる医師の顔が映し出され、男性は医師と実際に対面しているような様子でやりとりした。 診察後、男性は福江島にいる薬剤師からオンラインで服薬指導も受けた。処方した薬は嵯峨島から約5キロの貝津港でドローンに積み込まれ、10分ほどで島に到着。看護師が薬を受け取り、男性に手渡した。 厚生労働省の指針では、これまでオンライン診療は「初診は対面診療」が原則だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、特例で初診から受診が可能となった。実証事業は、遠隔医療モデルの効果を確かめ、コロナ収束後の恒久的な規制緩和の必要性を検証するのが狙いだ。 三井楽診療所の田中孝和医師は「表情がわかり症状も伝わりやすい。病人が船で渡り病院まで来るという負担も軽減される。音声が途切れたり、光の当たり方によって見えづらかったりする課題を検証し、役立つツールにする必要がある」と述べた。 診療を体験した男性は「いつも受診している医師の顔を見ながら話ができ、安心感がある。普段と変わらず違和感はなかった。薬をドローンで運ぶ様子は昔みていた未来の世界のようだった」と話していた。コメント昨今、離島や山間部など遠隔地でのオンライン診療、オンライン服薬指導、ドローンによる薬の配送の実証実験が行われています。 現在はまだ実験段階であり、法律や安全性、温度管理やコストなど様々な課題がありますが、実用化が進めば医師が少ない地域での医療の充実や、体が不自由で外出が難しい高齢者などにも医療を提供できるようになります。一日も早いサービスの実現が期待されます。 -
2020-10-31
政府機関、中国製ドローン新規購入を排除 情報漏えい・乗っ取り防止を義務化
政府は、ドローン(無人機)が集めたデータなどが盗み取られるのを防ぐため、2021年度から政府が購入するドローンのセキュリティー強化策を決めた。運航記録や撮影した写真の外部漏えい、サイバー攻撃による乗っ取りを防ぐ機能を備えた機体の購入を義務付ける。全省庁、すべての独立行政法人が対象となる。これにより、中国製ドローンの新規購入が事実上、排除されることになる。政府機関などはドローンを購入する際、内閣官房に計画書を提出し審査を受けることが義務付けられる。対象となるのは、公共の安全と秩序維持に関する業務に支障が生じる恐れがある場合などとし、具体的には①安全保障に関わるもの②犯罪捜査③発電所や鉄道などの重要インフラの点検④人命救助――などを想定する。外部に業務委託した場合も対象になる。すでに保有済みの機体も1~2年内に置き換えるよう求めた。ただ、飛行訓練などセキュリティーが高くない業務に使用するものは対象にならないと見られる。ドローンは、スマートフォンと同じように通信機器やカメラ、全地球測位システム(GPS)を搭載しているため「空飛ぶスマホ」と呼ばれる。外部のネットワークに接続しながら飛行するため、セキュリティー対策が弱いドローンの場合、データを抜き取られ悪用される危険が伴う。重要施設の点検内容などが外部に漏れれば、テロリストや犯罪集団に狙われる恐れがある。政府は18年に中央省庁などが購入する製品・サービスから、中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品を事実上排除する仕組みを整備した。その時も2社を名指しせずに、安全保障上の脅威などがある場合は制限できるという制度とした。外交問題に発展することを避けるためで、今回も特定の国やメーカー名を示さない形を踏襲した。中国製のドローンは、個人が使うホビー用を含め全世界で8割近いシェアがある。ただ、セキュリティー上の懸念があるとして米陸軍が17年8月に中国製ドローンの運用を停止。米政府は19年に中国製ドローンの使用禁止を政府機関に義務付ける新たな規制を制定した。国防総省は今年8月、中国メーカーに代わる5社の米企業を選定するなど「脱中国」を図っている。コメント今月の記事は、最近何かと噂をされている、国内での中国製ドローン禁止についてです。現段階では「政府機関などがドローンを購入する際に内閣官房に計画書を提出し審査を受けることが義務付けられる」だけであって、一般企業が購入を禁止されるわけではありません。しかし、一般企業にもいつ審査の義務付けがされるのか分からないので、予断は許せない状況です。現在、世界では中国製ドローンが約70%を占めていると言われており、もし中国製ドローンが国内禁止になれば日本のドローン業界にも、大きな影響を与えるのは間違いありません。今後もこの話題には注視していくと共に、日本のドローン製品の発展を切に願っております。 -
2020-09-30
「バスに乗って拡大する宅配ドローンシステム」が開発中
近年では従来のシステムに代わる宅配方法としてドローンの利用が模索されており、オーストラリアでは「Wing」というドローン配達サービスが開始されたほか、Amazonもドローンを用いた配達サービス「Prime Air」の実現に向けて前進しています。そんな中、スタンフォード大学の研究チームが「バスに乗って移動することで節電し、配達できる範囲も拡大するシステム」の実現を目指しています。これまでにも宅配ドローンはいくつか導入されているものの、ほとんどは宅配可能な地域が郊外のみに設定されています。これは、都市部の環境が動的であり、予期しない障害物が多く存在しているといった理由から、商用ドローンが都市部を飛行することが許可されていないことが理由です。ところが、スタンフォード大学のStanford Intelligent Systems Laboratory(SISL)およびAutonomous Systems Labの研究チームは、都市部を走行するバスを利用することで、宅配ドローンの可能性を広げるアルゴリズムを開発したとのこと。「私たちのアプローチは、あらゆる宅配を完了する時間を最小限に抑えようとしています」「公共交通機関とドローンの長所を組み合わせることで、大きな商業的利益を上げるだけでなく、社会的な影響を与えることができます」と、研究チームは述べています。研究チームが採用したアプローチは、荷物を積載したドローンが配送センターから飛び立ち、配送センターから近くを走行するバスまで飛行して「乗車」し、配達先の付近に近づいたらバスから再び飛び立って配達を行うというもの。また、ドローンは1台のバスにしか乗らないわけではなく、別のバスへ「乗り換え」を行うケースもあるとのこと。この公共交通機関と無人ドローンを組み合わせたアプローチを円滑に運行するには、利用可能なドローンと個々の荷物の配達先、バスの運行スケジュールなどを総合して適切なスケジュールを組む必要があります。そこで研究チームは、「ドローン」「荷物の配達先」「ドローンが待機・帰還する配送センター」「決まったルートを走行するバス」の情報を組み合わせ、最適な乗車・配達スケジュールを構築するAIアルゴリズムを開発しました。研究チームが開発したアルゴリズムは、最大で200機のドローンが5000個の荷物を配達するケースに対応可能だそうです。実際にサンフランシスコ交通局およびワシントン首都圏交通局の交通システムをモデルにしたシミュレーションを実施したところ、宅配ドローンが公共交通機関を利用することで、従来より360%も配達可能な範囲を広げられることがわかったと研究チームは述べています。また、ドローンがバスを利用することで配達車による道路の混雑が減少し、エネルギー使用量を減らすことも可能です。今回の研究では、実際に都市部での実験が行われたわけではなく、交通状況による遅延や障害物などの問題については十分に考慮されていないとのこと。研究チームは「将来の主要な方向性は、私たちのフレームワークを運用した際のコストや道路の混雑への影響を推定し、騒音公害や都市コミュニティへの影響といった潜在的な外部への影響について考慮するケーススタディを行うことです」と述べました。コメント限定的ではありますが、日本でも実用化が始まっているドローン配達。諸問題が解決して「バスを使ってのドローン配達」が全面的な実用化が進めば、世界の物流業界に革命が起こると見て間違いありません。日本においては、過疎地域に暮らし積載率の低い非効率な輸配送や、食料品などの日常の買い物が困難な状況に置かれている”買い物弱者”の問題が解決されることに期待が持てます。また、日本は地震や台風などの自然災害が多い国ですがドローン配達が使われるようになれば、被災地への緊急物資や薬品などの配達が今よりはるかにスムーズになるでしょう。ドローン配達により、もたらされる未来は非常に明るいものです。だからこそ1日でも早くドローン配達が実現することを願うばかりです。