2020-02-18
ドローン活用 水害の損害保険金一括払いをAIで
三井住友海上火災保険は大規模な水害で家屋や家財に大きな損害があった契約者に、保険金を無条件で全額払う制度を2020年に導入する。 人工知能(AI)を使って浸水量を想定し、地域ごとに支払いを判断する。被災者は1週間ほどで保険金を受け取れるようになる。 担当者による査定が必要で、長い時間がかかる保険金の支払いが変わる契機となる。大規模な災害のときに受け取る保険金は家屋の修繕や生活費にあてられる。企業は資金繰りが楽になり、関連倒産を減らせる。 ただ、災害が大きくなると損保会社の査定担当者も足りず、事務手続きの遅れから保険金支払いまで時間がかかりがちだ。新たな制度は19年の台風19号がもたらした規模の水害などを想定。被害の大きい地域は全損とまとめて認定し、契約者に火災保険の保険金を無条件で全額支払う 同じ制度は11年の東日本大震災で地震保険に適用された。火災保険での導入は業界で初めてで、家屋の2階以上まで浸水などがある地域を対象にする。全損の認定にはドローン(小型無人機)とAIを使う。ドローンで撮影した被災地の地形情報と、数カ所の実際の浸水状況を照合して家屋ごとの浸水状況を推定する 実証実験では9割以上で正確に測定できた。 全損の認定を受けた地域の契約者は、電話で連絡するだけで保険金をもらえる三井住友海上は災害後約1週間で保険金を数日後に振り込める体制を整える考え。 従来は1カ月近く保険金の支払いにかかっていた。全損の一括認定には膨大な作業が必要だった。東日本大震災では損保各社が人手で約2万3000枚の写真を分析した。 損保会社は2年連続で自然災害の保険金支払額が1兆円を超え、保険金の支払い遅れが表面化している。首都圏の河川が氾濫した場合は支払いを完了するまで4カ月以上かかるという推計もある。 迅速な支払いには自動化が欠かせない。 査定の効率を高めることで収益力を改善し、将来の火災保険料の抑制につなげる狙いもある.
コメント
近年、環境汚染が問題視される世の中で、とくに自然災害の被害が目立つようになってきた。 そこで活躍しているのは、ドローンを使っての人命救助や火災保険などの災害調査。 人にはできないことをドローンやAIが活用される時代... 人間のパートナーは人からAIと変わりつつありますね。 何よりも大切なのは、「今こそ、地球環境が安定して機能する範囲内で将来の世代に渡って成長と 発展を続けていくための、新しい経済と社会のパラダイムが求められていますね」 土台となる環境が破壊されれば、社会は不安定になり、経済成長どころではなくなるということです。 これ以上、環境汚染が拡大しないことを祈るばかりです。