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ドローン業界ニュース

2021-07-31

センシンロボティクスとフジタ、「全自動ドローン」で建設現場内測量と安全巡視無人化

株式会社センシンロボティクスは、株式会社フジタと共同で、現場オペレータの介在なしに現場内の安全巡視や測量業務を行う、建設現場向け全自動ドローンシステムを開発し、建設現場において国内初となる目視外補助者なし飛行(レベル3)を可能としたことを発表した。

同技術は、センシンロボティクスが提供する自動離着陸、自動充電、開閉式ハッチなどを備えた完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN Drone Hub」と、フジタの建設現場での安全巡視ノウハウや、簡易ドローン測量「デイリードローン」、標定点と呼ばれる測量用の目印を設置せず高精度な出来形計測が可能な「斜め往復撮影ドローン」の技術を組み合わせたシステム。

指定時刻に基地からドローンが自動的に離陸し、事前に指定したルートを通り、測量と安全巡視を実施後、自動で着陸し、充電を実行する機能を現場実用レベルまで向上させたとしている。

施工中の「令和元-4年度横断道羽ノ浦トンネル工事」(徳島県小松島市)で、全自動ドローンにより1日当たり、安全巡視2回、写真測量1回の作業を1カ月間行った結果、出来高管理(測量から土量算出)に必要な業務時間を従来の1/4に短縮するとともに、従来は必要だったドローンの操作、補助に携わる人員2名が不要となり省人化できることも確認した。

同技術は2年前に開発に着手、複数現場での実証試験による改良を繰り返し、建設現場での運用に対応できるよう機能の向上に取り組んできた。現在、ドローンの目視外補助者なし飛行は許可申請が必要だが、将来的に目視外飛行や無人飛行に関する各種規制要件が緩和されることを想定し、今回の現場での無人運用に至ったという。

■同技術の特徴

・自動写真測量
「デイリードローン」、「斜め往復撮影ドローン」の技術を導入
・自動安全巡視
遠隔監視システム「SENSYN CORE Monitor」を活用し、現場事務所や遠隔拠点から現場内の様子をリアルタイムに把握可能。撮影後の画像確認時には、データ格納システム「SENSYN CORE Datastore」を活用し、AIを活用した対象物の自動抽出機能により撮影日の異なる同じ場所の画像を比較することで、現場の変化を把握しやすくするメニューも搭載し、安全巡視業務の高度化を実現。

■同技術の導入効果
・ドローン飛行の操縦者と補助者(2名)が不要で100%の省人化
・現場の出来高測量と安全巡視業務の時短で効率が50%アップ
・独自ドローン技術を導入した自動写真測量で出来高測量業務の時間を従来の1/4に短縮
・日々の出来高を土量推移で把握でき工事原価を適正管理
・空撮により日々の施工進捗が可視化されるため、施工計画の変更などにも即時対応可能