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ドローン業界ニュース
2020-09-30
「バスに乗って拡大する宅配ドローンシステム」が開発中
近年では従来のシステムに代わる宅配方法としてドローンの利用が模索されており、オーストラリアでは「Wing」というドローン配達サービスが開始されたほか、Amazonもドローンを用いた配達サービス「Prime Air」の実現に向けて前進しています。そんな中、スタンフォード大学の研究チームが「バスに乗って移動することで節電し、配達できる範囲も拡大するシステム」の実現を目指しています。
これまでにも宅配ドローンはいくつか導入されているものの、ほとんどは宅配可能な地域が郊外のみに設定されています。これは、都市部の環境が動的であり、予期しない障害物が多く存在しているといった理由から、商用ドローンが都市部を飛行することが許可されていないことが理由です。
ところが、スタンフォード大学のStanford Intelligent Systems Laboratory(SISL)およびAutonomous Systems Labの研究チームは、都市部を走行するバスを利用することで、宅配ドローンの可能性を広げるアルゴリズムを開発したとのこと。「私たちのアプローチは、あらゆる宅配を完了する時間を最小限に抑えようとしています」「公共交通機関とドローンの長所を組み合わせることで、大きな商業的利益を上げるだけでなく、社会的な影響を与えることができます」と、研究チームは述べています。
研究チームが採用したアプローチは、荷物を積載したドローンが配送センターから飛び立ち、配送センターから近くを走行するバスまで飛行して「乗車」し、配達先の付近に近づいたらバスから再び飛び立って配達を行うというもの。また、ドローンは1台のバスにしか乗らないわけではなく、別のバスへ「乗り換え」を行うケースもあるとのこと。
この公共交通機関と無人ドローンを組み合わせたアプローチを円滑に運行するには、利用可能なドローンと個々の荷物の配達先、バスの運行スケジュールなどを総合して適切なスケジュールを組む必要があります。そこで研究チームは、「ドローン」「荷物の配達先」「ドローンが待機・帰還する配送センター」「決まったルートを走行するバス」の情報を組み合わせ、最適な乗車・配達スケジュールを構築するAIアルゴリズムを開発しました。
研究チームが開発したアルゴリズムは、最大で200機のドローンが5000個の荷物を配達するケースに対応可能だそうです。実際にサンフランシスコ交通局およびワシントン首都圏交通局の交通システムをモデルにしたシミュレーションを実施したところ、宅配ドローンが公共交通機関を利用することで、従来より360%も配達可能な範囲を広げられることがわかったと研究チームは述べています。また、ドローンがバスを利用することで配達車による道路の混雑が減少し、エネルギー使用量を減らすことも可能です。
今回の研究では、実際に都市部での実験が行われたわけではなく、交通状況による遅延や障害物などの問題については十分に考慮されていないとのこと。研究チームは「将来の主要な方向性は、私たちのフレームワークを運用した際のコストや道路の混雑への影響を推定し、騒音公害や都市コミュニティへの影響といった潜在的な外部への影響について考慮するケーススタディを行うことです」と述べました。
コメント
限定的ではありますが、日本でも実用化が始まっているドローン配達。諸問題が解決して「バスを使ってのドローン配達」が全面的な実用化が進めば、世界の物流業界に革命が起こると見て間違いありません。
日本においては、過疎地域に暮らし積載率の低い非効率な輸配送や、食料品などの日常の買い物が困難な状況に置かれている”買い物弱者”の問題が解決されることに期待が持てます。
また、日本は地震や台風などの自然災害が多い国ですがドローン配達が使われるようになれば、被災地への緊急物資や薬品などの配達が今よりはるかにスムーズになるでしょう。
ドローン配達により、もたらされる未来は非常に明るいものです。だからこそ1日でも早くドローン配達が実現することを願うばかりです。
これまでにも宅配ドローンはいくつか導入されているものの、ほとんどは宅配可能な地域が郊外のみに設定されています。これは、都市部の環境が動的であり、予期しない障害物が多く存在しているといった理由から、商用ドローンが都市部を飛行することが許可されていないことが理由です。
ところが、スタンフォード大学のStanford Intelligent Systems Laboratory(SISL)およびAutonomous Systems Labの研究チームは、都市部を走行するバスを利用することで、宅配ドローンの可能性を広げるアルゴリズムを開発したとのこと。「私たちのアプローチは、あらゆる宅配を完了する時間を最小限に抑えようとしています」「公共交通機関とドローンの長所を組み合わせることで、大きな商業的利益を上げるだけでなく、社会的な影響を与えることができます」と、研究チームは述べています。
研究チームが採用したアプローチは、荷物を積載したドローンが配送センターから飛び立ち、配送センターから近くを走行するバスまで飛行して「乗車」し、配達先の付近に近づいたらバスから再び飛び立って配達を行うというもの。また、ドローンは1台のバスにしか乗らないわけではなく、別のバスへ「乗り換え」を行うケースもあるとのこと。
この公共交通機関と無人ドローンを組み合わせたアプローチを円滑に運行するには、利用可能なドローンと個々の荷物の配達先、バスの運行スケジュールなどを総合して適切なスケジュールを組む必要があります。そこで研究チームは、「ドローン」「荷物の配達先」「ドローンが待機・帰還する配送センター」「決まったルートを走行するバス」の情報を組み合わせ、最適な乗車・配達スケジュールを構築するAIアルゴリズムを開発しました。
研究チームが開発したアルゴリズムは、最大で200機のドローンが5000個の荷物を配達するケースに対応可能だそうです。実際にサンフランシスコ交通局およびワシントン首都圏交通局の交通システムをモデルにしたシミュレーションを実施したところ、宅配ドローンが公共交通機関を利用することで、従来より360%も配達可能な範囲を広げられることがわかったと研究チームは述べています。また、ドローンがバスを利用することで配達車による道路の混雑が減少し、エネルギー使用量を減らすことも可能です。
今回の研究では、実際に都市部での実験が行われたわけではなく、交通状況による遅延や障害物などの問題については十分に考慮されていないとのこと。研究チームは「将来の主要な方向性は、私たちのフレームワークを運用した際のコストや道路の混雑への影響を推定し、騒音公害や都市コミュニティへの影響といった潜在的な外部への影響について考慮するケーススタディを行うことです」と述べました。
コメント
限定的ではありますが、日本でも実用化が始まっているドローン配達。諸問題が解決して「バスを使ってのドローン配達」が全面的な実用化が進めば、世界の物流業界に革命が起こると見て間違いありません。
日本においては、過疎地域に暮らし積載率の低い非効率な輸配送や、食料品などの日常の買い物が困難な状況に置かれている”買い物弱者”の問題が解決されることに期待が持てます。
また、日本は地震や台風などの自然災害が多い国ですがドローン配達が使われるようになれば、被災地への緊急物資や薬品などの配達が今よりはるかにスムーズになるでしょう。
ドローン配達により、もたらされる未来は非常に明るいものです。だからこそ1日でも早くドローン配達が実現することを願うばかりです。